アメリカ留学記

NASAへ短期研究留学した話

博士課程3年のとき、NASAへ2ヶ月間、研究留学しました。

いろいろな幸運が重なって実現したNASA留学でした。

NASAに留学したいと考える人の参考になれば幸いです。
 
 

NASAへ留学することになった経緯

初めはNASAに行く予定ではありませんでした。

僕は幸運にもD3から学振DC2をもらえることになり、研究費がありました。

博士課程に進学したときに、海外での研究経験をできる限りたくさん積みたいと思っていたので、D3で博士論文の心配はありましたがこのチャンスを逃すまいと考え、D2の冬から準備を始めました。

まず受け入れをミシガン大学の先生にお願いしました。僕はD1のときにミシガン大学に1ヶ月間留学しており、そのときに受け入れてくれた教授です。

ミシガン大学留学のことはこちらです。
 


 
僕は地球近くの宇宙空間の研究をしていました。磁気圏と呼ばれる領域で、ここは人工衛星も飛んでいます。

僕は人工衛星が取得した背景場や粒子データを用いて研究しており、ちょうどこの時はNASAが打ち上げた人工衛星のデータを使って研究をしていました。

ミシガン大学の先生はMMSプロジェクトの偉い人だったのです。

ですが、そのときは受け入れをお断りされました。

忙しすぎるとのことで、今回は全く面倒を見られそうにないとのことでした。

前回あまり評価されなかったのかなと残念に思っていたところ、代替案を出してくれました。

「NASAに知り合いの研究者がいて、お前の研究内容は彼女の研究領域にとても近いからぜひ訪ねてみるといい」とのことでした。

すぐに紹介してくれたので、僕はメールでアポを取りました。

自分が書いた論文3本(全部)とそのときの研究スライドを添付して、「お金はこちらで持つから2ヶ月くらい行ってもいいですか?」と。

すぐに返事があり、「おもしろい研究だ、ぜひ来てくれ!」と言ってくれました。

そのあと日程調整を行い、こうしてNASAへの短期研究留学が決まりました。

そして5月のGW後から7月上旬までの約2ヶ月間、渡米することとなりました。

また、僕の場合はNASAといってもヒューストンではなく、メリーランド州ゴダード(ワシントンD.C.の近く)の研究所に行きました。
 
 

手続き等

ビザは必要なくESTAでOK

アメリカに3ヶ月以上滞在するのであればビザの取得が必要になります。

しかし僕の場合は2ヶ月だったので、ESTAでオッケーでした。

ただ、3ヶ月未満でも渡航回数が多かったり、3ヶ月ギリギリだったりすると入国できないことがあるようなので、気をつけないといけないですね。
 

NASAへ入るためのバッジ申請

アメリカに入国できても、次はNASAに入れないといけません。

NASAにはエントリーバッジがあります。

事前に発行手続きをしておき、出来上がるまでには1ヶ月ほど時間がかかりました。

時間に余裕を持って渡航計画を立てる必要があります。
 

NASA初日の申請

初日は申請していたバッジをもらう必要があり、その上ゲートで各種申請が必要です。

パスポートを見せたのち、指紋を大量に取られました。

10本しか指はないのに、計20回くらい取られました。

無事NASAに入ることができました。
 
 

家と通勤と車

宿に関してはいろいろあったのですが、結局研究所近くの長期滞在者用ホテルに泊まりました。

1泊5000円くらいだったでしょうか。

宿を選ぶにあたり、ショッピングモールに隣接しているところにしました。

僕は国際免許証を取らずに行ったため車に乗れないので、自力で食糧を調達できるようそこにしました。

日本の都心みたいにそこら中にスーパーやらコンビニがあるわけではないので、車を持っていないなら宿の場所はとても重要です。

車がないので研究所までは毎日バスで行きました。

片道バスで15分、2ドルくらいです。

最初は30分くらい歩いて行ってましたが、思ったより暑かったので早々に断念しました。

またNASAのゲートについても、敷地が広大すぎて研究所までゲートから10分くらいかかっていました。シンプルにしんどかったです。

先生やポスドクから、バスは治安に気をつけろと言われていましたが、昼間は全然平気でした。

現地の高校生や同じ研究所行きの人が多かったです。

ちなみに先生やポスドクは車しか使わないので、バスには乗ったことないとのことでした。さすがは車社会アメリカ。

車の運転に自信がある人はぜひ国際免許証をとって、アメリカで車を借りて生活するといいです。休日の行動範囲なども格段に広がります。
 
 

食事

僕は長期滞在者用ホテルに泊まっていたので、部屋には簡単なIHクッキングヒーターや冷蔵庫がありました。

ですが食器や鍋・フライパンなどの類は一切なかったので、近所のショッピングモールで全て買いました。

朝晩の食事は近くのスーパーで食材を買って自炊していました。

すぐにアメリカンの食事は飽きるので、毎晩のように韓国の辛ラーメンとサラダと肉という感じです。

外食してもいいのですが、一食が普通に15ドル20ドルするので、コスパ悪いです。あと安すぎる牛肉とかは注意です。

僕はラム肉ばっかり食べてました。

昼食はNASAの食堂で食べていました。ちょうど僕のいた棟にカフェテリアがあったので、毎日そこでした。

ビュッフェ形式で重量課金なのでわかりやすいです。

いつも9ドルくらいだったでしょうか。

アジア人も多いため、アジアン料理も充実していました。

韓国人の食堂のおばちゃんに覚えられてよくおしゃべりしてもらいました。14時をすぎると昼のビュッフェが半額くらいになっていたので、たまに14時すぎに行ってそれを持ち帰り夕飯にしていました。

 
 

トラブルはあったが何回も助けられた

やはり2ヶ月も海外に行くと何回ものトラブルに見舞われました。

まず最初に宿問題でした。

当初はNASAで研究をしていた先輩に紹介してもらった宿に滞在するつもりでしたが、その家はやばい状態になっていて1日で逃げ出すことになりました。

ことの顛末は下の記事で書いていますので、よろしければどうぞ。

アメリカに短期留学して宿泊先でトラブルになった話

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このときは受け入れてくれた先生もそうですが、NASAに僕がミシガン大学でもお世話になったポスドクがいて彼にも助けてもらいました。
 
 

NASAでの研究

NASAでの研究生活は刺激的なことがたくさんありました。

基本的なライフスタイルは研究室に行って、研究して、夕方に進捗を話して帰るという普通な感じ。

ホテルに戻っても弱いwifiでがんばって解析をしていました。

こんな生活の繰り返しでしたが、それに加えてNASAで無数にやられているセミナーに飛び込みで参加してみたり、受け入れてくれた先生のプロジェクトの会議やパーティーに参加させてもらったりしました。

セミナーではTシャツ短パンでリンゴをガリガリ食べながら聞いてる人が、質疑応答になるとビシビシと厳しい質問をとばして闊達が議論が生まれるなど、日本の研究所やミッションの雰囲気とはだいぶ違い、おもしろかったですね。

アメリカの研究はかなりプロジェクト化が進んでいて、日本みたいに個人でガリガリやるというよりは、グループ単位で協力して進めていくという感じがしました。

また、先生もとてもポジティブな方だったので、なんかわかりませんが、めっちゃやる気になりました(笑)。

日本にいてもそんなにポジティブなこと言われることはないので、ありがたいかぎりでした。
 
 

NASAは学生インターンやポスドクを募集している

このように僕はつてを頼り、自分の研究費でNASAに短期留学しましたが、そのような形でなくてもNASAには行くことができます。

学生インターンを募集していることもありますし、ポスドクもたくさん募集しています。

正規のスタッフになるのは大変かもしれませんが、NASAで研究するだけならば、手がないわけではないようです。

公式サイトをちょくちょく確認した方がいいですね。

人とのつながりはとても大切

短期間ではありましたが、このNASA滞在を通じて、人とのつながりが研究業界でも非常に重要だと感じました。

自身の研究はもちろん大切ですが、人に選ばれて認められて研究者としてやっていけるので、そこを疎かにしてはいけません。

このNASA留学もミシガン大学へD1のときに行ったからこそ紹介してもらった話なので、つながりって大事だなと思います。

またそのときにいろいろ助けてもらったポスドクの人にはNASAでもまたたくさん助けてもらいました。

今度は僕がどこかでお返ししたいですね。

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