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データサイエンティストが会社員からフリーランスになるには?【経験から丁寧に解説】

僕が会社員からフリーランスになってしばらく経ちました。

この間に2人目の子どもが産まれたり、親の介護をしたりといろいろなことがありました。

それを踏まえてデータサイエンティストが会社員からフリーランスになるとどんな感じか、どうやってなればいいか、フリーになっても大丈夫なのかというのを書いておきたいと思います。

 

会社員のメリット

まず、会社員のメリットを振り返っておきましょう。

 

安定した収入と福利厚生

なんといってもまずは安定した収入と福利厚生です。

給与は固定ですし、社会保険、退職金制度などが充実しており、将来に向けて圧倒的な安心感があります。僕の妻もこの点を失うことを非常に怖がって反対していました。

フリーになると健康保険料を全額払わないといけないのでこれがかなり効きます。会社員だと半額は会社が出してくれますからね。

 

チームのつながり

フリーになって僕はフルリモートワークをしていたので、お客さんの会社の人と対面で会うことはほとんどありませんでした(出張のときのみ)。

普段の作業も自宅にこもって作業で、毎日30分程度zoomでミーティングをするだけなので、人と会うことがなく、かなり寂しかったです。

この点に関しては、会社員のときのように、問答無用で出社して顔を合わせて仕事をするのもよかったなと思います。

 

フリーランスデータサイエンティストのメリット・デメリット

メリット

自由度の高さ

フリーランスのメリットでよく言われるのが自由度の高さです。

「働く場所や時間を自分で選べるからライフスタイルに合わせて柔軟に働ける」とよく謳われています。

たしかに僕も親の介護が必要な時期はお客さんと相談をして、実家からやらせてもらったり、子どもが産まれてから稼働を少し減らしてもらったりしました。

また、上の子の保育園の迎えも行かないといけませんから会社員のころのように19時くらいまでということはせず、週3~4の稼働でライフスタイル重視でした。

なので、なかなか会社員だと自由にできないという場合はフリーランスという働き方もよいでしょう。

 

収入の上限がない

僕にはあまりあてはまりませんでしたが、スキルや実績、稼働時間次第では、収入を大幅に増やすことが可能です。

会社員では給料を上げるとなると、ほぼ残業する、もしくは圧倒的な成果を上げるくらいだと思いますが、上限はあります。

しかしフリーランスであれば、体力と根性で稼働しまくることも可能なので、その場合はかなりの収入を得ることができます。

また、収入の上限が会社員よりも高く設定される可能性が高いです。

プロジェクトごとの契約によっては、単価が非常に高い場合もあり、特に高度なスキルを持つ人は高収入を得ることができます。

この一年で絶対に稼ぐんだ!というようなガッツがある方にはよいでしょう。

 

デメリット

フリーランスのよいことも書きましたが、もちろんデメリットもあります。

収入の不安定さ、福利厚生の欠如

最も大きな問題は、収入が不安定になる可能性があることです。

案件の数や単価は常に変動し、繁忙期もあれば、仕事が全くない時期もある可能性がありますのでリスクと言えばリスクですが、データサイエンティストの場合はそれほど問題ではないように思えます。

というのも、基本は長期の稼働を先方が望んでいるからです。

もちろん契約は3ヶ月単位とかになるとは思いますが、それほど問題ない人であれば、雇う側は年単位での稼働を考えていると思いますよ。

あとフリーランスは福利厚生がないので、育児休暇などはもちろんなく、もし病気になったら傷病休暇とかもないので、そこは注意しましょうね。

 

税金まわりを自分でやる必要がある

会社員であれば勝手にやってくれる健康保険や年金といった処理も自分で管理する必要があり、これらの費用を自分で負担しなければなりません。

この点は少しやっかいです。

まず、健康保険は国民健康保険に入るか、任意継続するかという選択肢があります。

国民健康保険に入ると、子どもの分とかも全て払う必要が出てくるので、高額納税者は大変です。

そう考えると任意継続の方がよいように思えますが、任意継続は退職後2年までなので、ずっと元々いた健康保険組合にいれてもらうことはできないのです。どこかで切り替える必要があります。

そして納める金額も自分で全額を納めないといけないので、覚悟しておきましょう。

まぁ経費にできたり青色申告で節税できたりするので、トータルはわかりませんが健康保険は覚悟しておく必要があります。

ちなみにある程度稼ぎがいい人で家族がいたりすると、国民健康保険の上限額である年間104万くらいまで上がります。

 

あと、所得税や住民税も自分でやらないといけないので、開業手続きから経費や収入の計算、帳簿作成などもやる必要があります。

税理士に任せてもよいですが、けっこう高いので自分でやった方がいいです。会計ソフトなど使うと簡単なので、がんばりましょう。

会計ソフトさえあれば青色申告だってきっとできますので、自分でやるのは大変ですが、最初だけがんばって覚えて節税していきましょう。

 

年金もちゃんと払うようにしないといけません。

厚生年金がなくなり、国民年金になるので注意しましょう。

なお、フリーランスだと将来が不安をいう場合は、国民年金基金を検討するなり、しっかりIDECOを初めてがんばるのがよいでしょう。

フリーランスだと会社員に比べて掛け金の上限が高いので、IDECOはおすすめです。

 

フリーランスデータサイエンティストに必要なスキル

社会人としての基本が大事

フリーランスデータサイエンティストとして生きていくには、もちろん分析まわりのスキルはある程度は必要ですが、それ以上に基本が大事だったりします。

どれだけPythonが書けてすごいモデルを作れたりしても、客商売なので会議時間に遅れてきたり、コミュニケーションが取れなかったり、性格に難ありだったらそれはダメです。

聞いた話ですが、僕がお客さん先に入ったのと同時期に参画した人がいたようですが、40歳を超えているのに朝会に寝坊したり、todoメモを残さなかったり基本ができず、最短の3ヶ月で契約を終えたということがあったようです。

僕自身、技術力が高いというわけでは決してないですが、その辺はしっかりやっていたつもりなので、対比的に好印象になっていたようです笑

フリーランスというと技術力がすごく高い人というイメージがあるかもしれませんが、なってみるとそうでもありません。
むしろ、会社員時代の先輩方の方がよっぽどすごいです。

なので、あまりフリーランスになるにあたって技術面での躊躇はいらない気がします。

 

心身の健康が大事

これも基本ですが、健康管理はフリーランスにとって重要です。

病気や体調不良で仕事ができない場合、その分収入が途絶えてしまうため、心身のバランスを取ることはとても重要な課題です。

僕はコロナになったり、こどもの熱をもらってけっこう寝込んでしまいました。

まぁ、このくらいならまだいいですが、病気で長期で仕事できないとかになると、傷病休暇のようなものはフリーランスにはないので注意しましょう。

しっかり食べて、運動して、寝て、気をつけましょうね!

 

会社員からフリーランスへの転身ステップ

フリーランスデータサイエンティストとして生きていくには、以下のようなステップかと思います。

ステップ1: データサイエンティストとしての実務経験を積む

フリーランスとして独立する前に、まずはデータサイエンティストとしての実務経験を積むことが非常に大事です。

なんだかんだ言って3年くらいが実務経験としての境目になるとエージェントの人が言っていました。ある程度の経験があると後々の案件獲得時に大きな強みとなります。

 

ステップ2: ポートフォリオの作成

これはnice to haveですが、実務経験を積みながら自分のスキルや実績を残しておくことはできたらなおよしです。

具体的には、GitHubにコードを残したり、Qiitaやブログで記事を書くのも良いと思います。

僕の場合は、このような弱小ブログですが、見てくれた方が問い合わせをくれて、今も一緒にデータサイエンスの仕事をしています。

フリーで仕事を取る方法にこのような手段もあるので、できればなにかしらのアウトプットをしておくとよいですよ。

 

ステップ2.5: 家族の攻略

家族がいる場合、ここが1番のネックかもしれません。

パートナーの攻略は非常に大変になる可能性があります。

機械学習プロジェクトなんかよりもずっと大変です。

いやー大変でした。僕に言えることは何もありません、がんばってください!

 

ステップ3: フリーランスとしての登録と案件獲得

あとは、会社を辞めてフリーランスになるだけです。

ただ、何もしないうちにいきおいで会社をやめるとリスキーなので、先にエージェントに登録するなり、個人のつてで仕事の目処を立ててから辞めましょう。

あとでも書きますが、特に個別につてがなければ、最初はエージェントに登録しておくと楽チンです。

エージェントは決してフリーランスになってからや、絶対になると決めていなくても登録して案件などの話を聞くことができますので、まだ決意をしていない段階でも早めに登録しておいたらよいと思います!

どんなエージェントが良いかはこちらの記事を見てみてください。

【体験談】データサイエンティストにおすすめのフリーランスエージェント3選

僕は企業でデータサイエンティストをしていた時からフリーランスに転身する際に、10社ほどのエージェント・サービスに登録したのですが、その中で人にオススメしたいのは以下の3社くらいでしたので、今回はこれら ...

だいたいこの3つくらいに登録しておけば、大丈夫でしょう。

 

フリーランスの案件獲得

フリーランスとして仕事を得るためには、案件を効率よく獲得することが大事です。

フリーランスが長くなれば、個人のつてで仕事をもらえるケースも多くなりますが、最初のころはエージェントに登録しておくのがよいです。

エージェント利用のメリット

エージェントを利用するメリットは、案件の紹介をしてくれる点です。

エージェントはフリーランスのニーズやスキルに応じた案件をマッチングしてくれるため、自分で一からクライアントを探す必要がありません。

また、エージェント経由での案件は、ある程度は信頼性が高く、報酬の支払いも比較的安定していることが多いです。特にフリーランス初心者にとっては、エージェントのサポートは非常に心強い存在になります。

先ほどの書きましたが、エージェントは決してフリーランスになってからや、絶対になると決めていなくても登録して案件などの話を聞くことができますので、まだ決意をしていない段階でも早めに登録しておいたらよいです!

こちらの記事でエージェントについては詳しく書きましたので、見てみてください。

【体験談】データサイエンティストにおすすめのフリーランスエージェント3選

僕は企業でデータサイエンティストをしていた時からフリーランスに転身する際に、10社ほどのエージェント・サービスに登録したのですが、その中で人にオススメしたいのは以下の3社くらいでしたので、今回はこれら ...

ただし、エージェントは利用する際は仲介手数料が発生するため、報酬の一部が差し引かれる点には注意が必要です。

転職エージェントと同様ですね。まぁ、それでも案件探しや契約交渉の手間を省けるため、初めてのフリーランス活動をスムーズにスタートできる点は大きなメリットと言えます。

 

クラウドソーシングはあまりおすすめしない

ランサーズのようなクラウドソーシングは、自由度が高く、多くの案件に簡単にアクセスできるのが魅力ですが、案件の競争が激しく、報酬が低い場合が多いです。

正直、エージェント経由で仕事はだいたい得られるので、クラウドソーシングを使うよりはエージェントを活用する方が効率的だと思います。

 

単価交渉

エージェントを通そうが、個人で仕事をとろうが、フリーランスでは必ず単価の交渉が行われます。

エージェントを通す場合でも、エージェントとその先の会社がいくらで契約しているかわからない状態で、自分とエージェントが契約を結ぶ必要があります。

もちろん個人で直契約の場合は、先方の会社と単価を交渉します。

個人のデータサイエンティストの場合は、エージェントを介するならだいたい月160時間稼働で60~90万くらいが相場ではないでしょうか。

もちろん仕事内容や会社、自分のスキルによりますので、それ以上の案件もありますが、だいたいそのくらいの範囲に落ち着くかと思います。

60万より低ければ、エージェントが2社以上絡んでいるように思えてしまいます。

なるべくマージンは取られたくないですから、直取引が多いエージェントを選んだ方がいいです。

これも先ほど書きましたが、この辺りなら大丈夫ではないかと思います。

集計+αくらいなら安めですし、機械学習モデルを組んだり、コンサルっぽいことをしたり、難易度が高くなればそれだけ単価もあがります。

あと1点、単価は税別で話すことが多いので、エージェントに提示するときなどは、必ず「税別で」というのをつけるようにしましょうね。

 

稼働日数

フリーランスなので会社員のように月〜金の9~18時労働のようなしっかりした契約ではないことが多いですが、週5日の案件が非常に多いです。

週3日くらいでのほほんとなりたいという人は、ちゃんとスキルがあって、しっかり情報を張り巡らせておく必要があります。

エージェントに聞いてみても週2~3の案件は今はないですね、と言われることも普通にありますので、どのくらいの稼働でいくかというのは考えておいた方がいいです。

 

契約更新と期間

だいたいフリーランスで業務委託契約を結ぶ場合は、3ヶ月くらいで結ぶケースが多いかと多います(あくまで私の場合ですが)。

それで特に先方も自分も問題なければ、更新していくという形でしょうか。

最初から3ヶ月だけみたいな契約の場合は除いて、毎度毎度の案件が全部3ヶ月とかで切れていると、職務経歴書を見た時の印象がそれほどよくないと思いますので、1年くらいは1つの会社と付き合っているという実績はあった方がいいようです(担当のエージェントの人が言ってました)。

やっぱりフリーランスも人間性が大事なので、すぐに契約が切れていると人間的に大丈夫なのかと先方が思うのも納得ですから、フリーランスなので簡単に契約は切ることができると言えど、そこは注意しておきましょう。

 

個人で仕事をとるなら

今までずっとエージェントを通した契約を前提にしていましたが、もちろんエージェントを介さずに直接契約することもできますし、その方が単価は上がります。

というかマージンがなくなる分、自分も相手の会社もハッピーですね。

ではエージェントを介さずにどうやって仕事をとるかですが、それはもう自分の人間関係でとるか、SNSなどで直接依頼を受けるしかないでしょう。

前の会社と仕事をしてもいいですし、前の職場で知り合った業務委託の人、取引先、などなどあると思いますので、人間関係は大事にしましょう。

あとはブログなりQiitaみたいなやつなりで発信しておくことも大事です。

 

フリーランスとしての開業手続き

フリーランスとして働くためには、開業などの事務作業も必要なので、一応必要なことを列挙しておきますね。

1. 開業届の提出
フリーランスとして開業するための第一歩は、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出することです。
この書類は、開業後1ヶ月以内に提出する必要があります。開業届を提出することで、正式に個人事業主として認められ、確定申告や納税の手続きを行うことができるようになります。
出さなくても法律的には問題ないようですが、方々に書類を出したりするので、開業届はしっかり出して、その書類をもらっておくべきです。

2. 青色申告承認申請書の提出
フリーランスの節税は「青色申告」を行うことをおすすめします。
青色申告をすることで、最大65万円の控除や、赤字を3年間繰り越せるなどの特典を受けることができます。この申請書は、開業届と一緒に提出するのが一般的ですが、開業年の3月15日までに提出すれば大丈夫です。
あとはがんばって確定申告のときに書類を作成するだけです。

3. 国民健康保険・年金の手続き
フリーランスになると、会社員時代に受けていた社会保険から離れることになります。
そのため、国民健康保険、もしくは以前の健康保険組合の任意継続に加入する必要がありますので、その手続きをしましょう。
また、年金についても、厚生年金から国民年金に切り替わるため、市区町村での手続きが必要です。

4. 銀行口座の開設
ビジネス用の銀行口座を個人用とは別に開設することを強くおすすめします。
フリーランスとしての収入と経費を明確に分けるため、ビジネス専用の口座を使用することで、後々の確定申告がスムーズになります。

5. 請求書・契約書の準備
フリーランスとしてクライアントに仕事を提供する際、請求書を発行することがあります。
エージェント経由だと不要なことも多いですが、直契約だと自分で請求回りまでやる必要がありますから、必要になったら請求書のソフトなども検討しましょう。
僕は弥生のソフトを使っています。
契約書とかは先方が出してくれたりしますし、必要になったらGPTで書いたり、ココナラとかで専門家に聞くのもよいでしょう。

6. 会計ソフトの導入
会計のために、日々の収支や経費をきちんと記録しておくことが大切です。
初めての確定申告(青色申告)はけっこう大変なので、クラウド会計ソフトを活用するのが良いです。
これにより、確定申告の際にもスムーズに対応できます。
僕は弥生の青色申告を使っています。

青色申告をすることにすればかなり経費にできるので、税金や経費等については別でしっかり勉強しておいたほうがいいです!
勉強のため僕は簿記3級を受けました(32点で不合格でしたが...)。

 

おわりに

いろいろ書きましたが、僕みたいにライフイベントが多い時期はフリーランスもけっこうありだと思います。

週2,3の案件は週5とかの案件に比べると少ないですが、なんとかそのような案件を見つけられれば、けっこう自由がききます(もちろん収益とのバランスは必要)。

税金とか始めてのことも多く大変ですが、新しいことへの挑戦で意外と楽しかったりもします。

会社を出ることで今までに会わなかったような人とつながるようなこともあり、そういった点もいいです。

別にフリーランスになったからもう会社員になれないわけではないので、もしフリーランスが合っていなかったまた転職活動をすればいいでしょう(僕もそのつもりでいます)。

業績がよければ法人にしちゃってもいいですしね!

ではまた!

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