こんにちわ、サトシです。
今回は、企業でデータサイエンティストとして働いていた僕が、フリーランスとしてどのような手順で独立していったかについて書いていきたいと思います。
僕はSIer SE→博士過程→ポスドク→データサイエンティストと仕事を変えてきて、データサイエンティストとしてはちょうど3年ほどのキャリアとなります。
そんな僕ですが、なんとかフリーランスとして業務委託の案件を取ることができたので、この話が誰かの参考になれば幸いです。
今までに企業のデータサイエンティストとして経験したこと
僕はこれまでにデータサイエンティストとして、3年間、3社で働きました。
1社目は未経験からデータサイエンティストへの転職でデータ分析専業の会社に雇ってもらい、そこで1年半ほど働きました。
このときは最初に研修をした後、データ分析の研修をしたり、製造業や金融業向けの受託分析をしたりして、けっこう広い分野の仕事をさせてもらうことができました。
スキル面ではあまりモデルを作ったりということはそこまでしなかったのですが、一般的な時系列モデリングをしたり、階層ベイズモデルを作ったり、地理空間データを使ったりと使うデータもまぁまぁ種類があっておもしろかったように思います。
分析環境面ではAWSを使う事が多く、EC2とDockerで環境を作ったり、Athenaでデータ抽出したりという感じでした。
あとTableauもよく使いましたね。やってることにはそれほど不満はなかったのですが、どうしても給料が上がる見通しがなかったので、転職することにしました。
2社目は事業会社に転職しました。
転職の時には新しい時系列予測モデルを作ってほしいと言われたので入社したのですが、入社したらそんな仕事をすることはなく、アプリ開発の手伝いをしたり、BIツールでダッシュボードを作ったり、企画やマーケティングの人にデータを抽出して提供したりなどしました。ここではひたすらSQLを書いていた気がします。
TableauやAWS QuickSightでビジュアライズするために、AthenaやMySQLでずっとデータ抽出をしていました。
アプリ開発の手伝いではテストなどもしていましたので、Pythonコードも書きましたがSQLメインだったことは間違いないです。まぁ当初言われていた時系列予測モデリングなどはできませんでしたが、おかげさまで(?)SQLはある程度書けるようになったかと思います。ですが結局1年で退職しました。
3社目も事業会社にしました。
こちらではデータサイエンティストっぽい仕事をすることができ、PyAthenaでデータ抽出しながらPythonでモデルを作るみたいな感じでした。
今まではGitでソースコード管理などはあまりしてこなかったのですが、この会社で初めてGitとGithubでソースコードの管理を学びました。あとはVSCodeの有能さを知り、そして環境構築についても決まりがあったりとしっかりした会社でした。
先輩にもつよつよの人がいたりと勉強にはなりました。でもまぁいろいろあり、4ヶ月でやめ、それからフリーランスになることにしました。モデリングにはXGBoostを使う事が多かったですね。
企業の転職活動についてはこちらをどうぞ。 こんにちわ、サトシです。33歳です。 今回は、データサイエンティストの3年間に3社で働いた僕が、データサイエンティストとしての転職活動についてまとめて書きたいと思います。 これまでSE→博士研究員→ポ ...
データサイエンティストとして3年間で3社経験した僕の転職体験談まとめ
フリーランスを目指した理由
3社目の会社はけっこうしっかりした会社だったのですが、家庭の事情や自分の体調などもあり、一旦週5の仕事からスローダウンしようとしました。
ちょっとまとめて時間が欲しかったのと、できればそのあと週2~3くらいで仕事をしたいなと思っていました。さすがにその働き方は正社員では厳しいので、業務委託案件で週2~3のを探してことにしたという感じです。
あとは、僕自身が会社員に向いてなかったのでしょうね。
スキル的には心配もありましたが、なんとかなるかという思いでした。
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フリーランスとして案件を取るためにしたこと
なるべく多くのエージェントに登録した
さて、フリーランスになろうと思い、とりあえず業務委託案件を取るためにエージェントに登録しました。
いろいろと登録したので、合計10社くらいに登録したでしょうか。結果的にその中では以下の4社くらいが私としては好印象だったので、それらのエージェントの方と面談をし、求人を紹介してもらいました。
よければ登録してみてください。
週2~3くらいの案件をお願いしたのですが、やはり案件数自体が週2~3案件は週4~5案件よりもずっと少ないとエージェントの人も言っていて、それほど紹介はしてもらえませんでした。
フリーランスでは案件が途切れる恐れがあるので、エージェントには複数登録しておき、連絡を取り合うことが重要です。また担当者との相性もあるので、それを踏まえると3~4社くらいのエージェントには登録しておくのが安全かなと思います。
おすすめのエージェントについてはこちらに詳しく書きました。 僕は企業でデータサイエンティストをしていた時からフリーランスに転身する際に、10社ほどのエージェント・サービスに登録したのですが、その中で人にオススメしたいのは以下の3社くらいでしたので、今回はこれら ...
【体験談】データサイエンティストにおすすめのフリーランスエージェント3選
狙っていた案件
案件数自体は少なかったのですが、個人的になるべく自分がいままでにやったことないスキルの案件が得られればいいなと思っていました。
一般的にフリーランスはスキルベースなのでスキルアップは難しい可能性が高いと言われていたので、もし可能であれば今までに自分の経験がなくスキルアップになりそうなものを希望したのです。
結局、運良く僕が今までにやったことのない画像認識の案件を取る事ができてよかったです。まぁ大丈夫なのかはわかりませんが、なんとかなるでしょう。。。
書類選考
フリーランスの案件も一般的な転職と同様に、応募したら書類選考みたいなのがあります。最初に6~7社応募しましたが、全部落ちました。なかなか難しいんだなと思った記憶があります。やはり自分の確固たるスキルがあると強いんだろうなと思いました。
企業からの面談希望
僕自身が求人の応募するのと他に、エージェント側が企業にアプローチして面談を取り付けるというパターンもありました。もちろん面談を取り付けてもらって、それを自分が受けるかどうかは選べますが、そういうやり方もフリーランスの場合はあるようです。
面談
僕の場合は結局1社としか面談(面接)をしませんでした。転職の場合は、自分と企業の2社で行いますが、フリーランスの場合は自分と企業とエージェントの3社でやりました。たぶんフリーランスの場合の契約は、自分ーエージェント、エージェントー企業だからこのようにするのでしょうか(わかりませんが)。
また、転職の場合は2~3回やることが多いと思いますが、フリーランスの場合はほとんどが1回か2回なんだそうです。僕も当初は1回の予定でしたが、いろいろあって2回面談し、それで運良く契約してもらえることになりました。
契約することにした案件の決め方
とりあえず早く契約が決まった会社と契約しました。転職活動みたいにいろいろ同時並行して内定をもらい、条件面を比べて決めるみたいなことにはなりませんでした。
他のみなさんがどうしているのかはわかりませんが、僕の場合は早めに契約したかったのと、業務開始の希望日程とかをかなり聞いてくれたので、最初に契約してくれたところに決めました。あと、その会社には偶然かつての先輩がいた会社だったので、最低限大丈夫そうか聞いてみて、問題なさそうだったので決めたというのもあります。
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業務委託の契約について
最初に契約することにした案件は、以下のような条件でした。
- 週3の案件
- 週1回出社
- 単価は最初なので比較的安め
- 準委任契約
- 3ヶ月、自動継続
- 個人ー対象会社間で勝手に契約しないなど
まぁ、それほど特記事項はないかなという印象です。正式な契約書はエージェントの会社とクラウドサインで電子契約書を結びました。
会社を辞める前にしたこと
さて、無事フリーランスとして仕事をもらうことができたのですが、会社を辞める前に何かやっておいた方がいいことは何があるでしょうか。僕の場合は正直あまり思い浮かびませんでしたが、強いていうならクレジットカードは作っておきました。
いろいろな人がフリーランスになる前にカードを作っておけというので、それにならって三井住友カードを作りました。年会費も無料なので、いいかなと思った次第です。
あと、辞めるときには月末退職だと健康保険料だったか厚生年金だったか忘れましたが、余分に翌月分も取られるので、退職日には注意した方がいいです。損をしないように調べてみてください。僕はしっかり余分に取られました。。。
開業届・青色申告・会計準備
会社を辞めてから、税務署に開業届を出しました。開業届は別に出さなくてもいいらしいですが、青色申告をしたりなど色々なことを考えるとちゃんと出しておいた方が良さそうだと思い、出すことにしました。
あとは、保育園などにもちゃんと書類を出さないといけないので、その証明のために届出したというのもあります。
開業届は直接税務署に言って提出しましたが、PCでeTaxを使ったり郵送でもできるそうでした。ただ僕の場合は即日で開業届の控えが欲しかったので直接提出しに行きました。
税務署に行くと、平日昼間のためか人はとても少なく、開業届の記載事項も少なかったため、拍子抜けするほどすぐに終わりました。青色申告も紙ペラ1枚なので一緒に申請して完了です。
あとは個人事業主になるのも初めてなので、最寄りの図書館にいって個人事業主や開業に関する本をありったけ借りてきて読みました。
また、クラウド会計ソフト(僕の場合はマネーフォワード)にも契約して、お金の管理をする準備をしました。月額1,000円くらいで使えるんですね。これに登録しておけば青色申告に対応した確定申告なども簡単にできるらしいので、ぜひフリーランスになる方は登録しておいた方がいいかと思います。
いろいろな会社が会計ソフトを出していますが(マネーフォワード
や弥生など)、初月無料にしていたりするので、自分と相性がいいのを使うといいでしょう。
フリーランスでやってみて感じたメリット・デメリット
最後に会社員とフリーランスを比較した時のメリットとデメリットを書いておきたいと思います。
メリット
- 収入は増やそうと思えば増やせる
- 働く量を調整できる
- 案件を変えられるので飽きなさそう
僕が思う一番のメリットはライフステージに応じて業務量を調整できるところだと思っています。僕のそうなのですが、会社員をしていると時短制度などはあるにしろそれを自由自在に使うことはできませんし、突然休みをもらうというのがたくさん続くと問題になります。
なので、業務委託ですと3ヶ月単位になるとは思いますが、そのくらいの単位で業務量が調節できるのは魅力的です。
あとは、増やそうと思えば収入もかなり増やせます。週5の案件をちゃんととれば一般的な企業のデータサイエンティストよりは手取りは多くなるでしょう。
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フリーランスのデータサイエンティストが年収/収入を上げるための方法を解説
データサイエンティストにもフリーランスという働き方が認知されてきました。フリーランスデータサイエンティストを目指す主な要因として、「自由度の高い働き方」と「高収入」があるのではないかと思います。 注) ...
デメリット
- 税金は増える?
- 手続きや税金まわりを自分でやる
- 3ヶ月契約とかなので契約が切れると他の仕事を探す必要がある
デメリットは税金なども全部自分でやらないといけないところだと思います。けっこう面倒くさいです。。。
あとは、契約期間が短いので契約が切れると他の仕事を探さないといけないところもフリーランスのデメリットです。個人の性格にはよりますが、そのような不安定感が向いていない人もいるかと思いますので、そのような人は注意してください。
まとめ
ここまでで、僕が企業でデータサイエンティストをしていた時の話から、フリーランスとして独立するまでのことを書いてきました。
まだまだフリーランスとして長くはないので、これからどうなるかはわかりませんが、なんとか頑張って生き抜いていきたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!