こんにちは。
データサイエンティストとして活動しているサトシです。
今回は「エンジニア 一人起業」というテーマで、私自身のフリーランスから法人設立に至るまでの体験談をお伝えしていきます。
エンジニアとして独立を考えている方や、フリーランスから法人化を検討している方の参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお読みください!
目次
1. エンジニアとしてフリーランスを選んだ理由
私はデータサイエンティストとして企業に勤めていましたが、約2年前に独立してフリーランスになりました。
いろいろとライフイベントが重なり、正社員は厳しくなったため消極的な理由ではありますが、フリーランスになったわけですが、幸運なことに、エンジニア、特にデータサイエンス領域は需要があり、エージェントを通して比較的安定して案件を獲得できる環境がありました。
実際、フリーランスになってからも、エージェントを通じた案件や、このブログを通じて個人的に仕事を得ることができました。
エンジニアという職種は、リモートワークとの親和性も高いので、場所を選ばず働けるという利点もあります。
2. フリーランスから法人化へ踏み切った理由
フリーランスとして約2年間活動してきましたが、今回法人化することにした理由はいくつかあります。
まず一番のきっかけは、健康保険の任意継続の期間(最大2年間)が終わることでした。
フリーランスになると国民健康保険に加入することになりますが、会社員時代の健康保険を任意継続することで2年間は保険料を抑えることができます。その期間が切れるタイミングだったので、「ここで法人化して社会保険に入れば良いのでは?」と考えました。
また、仕事の規模が少しずつ大きくなってきて、取引先からの信用面を考えると法人化した方が良いと判断したこともあります。法人になると社会的信用が高まり、案件を受注しやすくなるというメリットもあります。
さらに、税金面でも法人化するメリットもありますし、一度会社作ってみたかったというのもありますね。
3. 法人設立前の準備
法人設立を決意したら、まずは準備が必要です。
私の場合、以下のことを事前に調査・検討しました。
- 会社名の決定(屋号から正式な会社名へ)
- 会社の所在地(自宅か、バーチャルオフィスか)
- 資本金の額(最低限でよいか、ある程度余裕を持たせるか)
- 事業目的(データサイエンス関連、システム開発など具体的に)
- 法人設立の方法(自分でやるか、専門家に依頼するか)
所在地は登記上の住所となるため慎重に決める必要があります。
私は自宅を会社の住所にしたくなかったので、バーチャルオフィスを契約することにしました。
4. 法人設立の手続き
4.1. 法人設立の基本情報決定
法人設立の最初のステップは、基本情報の決定です。具体的には以下の項目を決めていきます。
- 会社名(商号)
- 本店所在地
- 事業目的
- 資本金の額
- 決算期
- 役員構成
私の場合、資本金は最低限の100万円としました。事業目的はデータサイエンス関連の業務、システム開発、コンサルティングなど、将来的に行う可能性のある事業を幅広く含めました。
本店所在地は、バーチャルオフィスがあるところから選び、なんとなく新宿だと響きがよさそうかなと思いました。
ただ、後々思ったのですが、年金・社会保険の手続きは会社の所在地があるところでやらないといけないので、遠いのも考えものだということは覚えておいた方がいいです。。。
4.2. 法人実印の作成
会社設立には法人実印が必要です。私は代表者印、銀行印、角印の3種類のセットを購入しました。
ハンコに関してはそれほど高価なものでなくても良いので、インターネットで比較的安価なものを注文しました。
3つで1万円しなかったです。
印鑑実印のネット通販はこちら
4.3. 法人設立の代行を依頼するか自分でやるか
法人設立の手続きは自分でもできますが、専門知識が必要な部分もあります。
私は知り合い経由で司法書士さんに依頼しましたが、正直なところ費用がかかりました。
実際にやってみると、思っていたほど難しいものではないとわかったので、今思えばfreeeなどの会社設立サービスを利用して自分でやった方が費用を抑えられたかと思います。
エンジニアであれば書類作成などは比較的得意なはずなので、自分でチャレンジするのもアリだと思います。
法人設立の基本的な流れはだいたい以下の通りです。
- 定款の作成
- 定款の認証(電子定款なら認証手数料が安くなります)
- 資本金の払込
- 法務局への登記申請
- 会社設立完了・登記簿謄本の取得
5. 法人設立後にやるべきこと
法人設立後は様々な手続きが待っています。
最初の1ヶ月は予想以上に忙しくなるので、時間に余裕を持って計画することをおすすめします。
5.1. 会社のウェブサイト作成
法人化したら、会社のウェブサイトは必須です。
私はまず最低限の情報を掲載した簡易的なサイトを作成しました。
レンタルサーバーはロリポップの一番安いプランを選び、WordPressでサイトを構築しました。
最初からデザイン性の高いサイトを作る必要はとりあえずないので、会社概要、サービス内容、問い合わせフォームくらい用意して、今後充実させていくつもりです。
5.2. 名刺の作成
デジタル全盛の時代でも、名刺はまだまだ必要なアイテムです。
取引先との打ち合わせやイベント参加時に必須になります。私はラクスルで安価に作成しました。デザインは自分で作り、とりあえず100枚ほど印刷しました。
ラクスル
5.3. 銀行口座開設とクレジットカード作成
法人口座の開設は必須です。
私はGMOあおぞらネット銀行で法人口座を開設しました。法人口座は私としては、GMOあおぞらネット銀行がいいと思います。
社会保険料の口座振替に対応しているネット銀行が現状はGMOあおぞらネット銀行だけのはずだからです。
毎月振り込むのは口座振替の手続きをしておくと良いと思います。
GMOあおぞらネット銀行 法人口座作成
あわせて同銀行の法人カードも作りました。法人カードがあると経費の管理がスムーズになりますので、なにかしら作っておいた方がいいです!
法人カード
5.4. 社会保険・年金関係の手続き
法人を設立すると、原則として社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する必要があります。
バーチャルオフィスを置いた区の年金事務所で手続きを行いました。いろいろと手続きは面倒なので、忙しい時期には登記しない方がいいかと思います。
社会保険料は個人事業主時代の国民健康保険より負担が増えることが多いですが、将来受け取る年金額も増えるというメリットがあります。
また、全額経費として計上できるのも法人のメリットです。
先ほども書きましたが、社会保険料を毎月振り込むのは面倒なので、対応している法人口座を作って、口座振替の手続きをしておくと良いと思います!
GMOあおぞらネット銀行 法人口座作成
5.5. バーチャルオフィスの契約
私は会社の住所として、バーチャルオフィスを利用することにしました。自宅を会社の住所にしたくない場合はおすすめの選択肢です。
月額2,000円以内で住所を借りることができ、郵便物の転送サービスのオプションもつけました。
税理士さんに言われたのですが、バーチャルオフィスを借りるのはいいが、郵送物の転送は必ずつけた方がいいとのことでした。
社会保険関連などいろいろな書類が届くので、手続き等が停滞しないよう必ず転送オプションはつけておきましょう!
GMOバーチャルオフィス
6. 会計処理どうする?〜エンジニア一人社長の経理事情〜
6.1. フリーランス時代の会計処理
フリーランス時代は、弥生の青色申告オンラインを契約して自分で帳簿をつけていました。個人事業主の確定申告は比較的シンプルなので、会計ソフトの助けを借りれば自分でも十分対応できます。
弥生の青色申告オンラインは初年度無料というキャンペーンもあり、個人事業主にはおすすめです。銀行口座やクレジットカードと連携することで、取引の記録も楽になります。
6.2. 法人化後の会計処理
法人の確定申告は個人事業主より複雑で、貸借対照表や損益計算書など専門的な書類も必要です。私は日々の帳簿付けは引き続き自分で行い、確定申告だけ税理士に依頼することにしました。
税理士との契約は、顧問契約(月々の顧問料を支払う)ではなく、決算・申告のみをお願いする形としました。顧問契約だと月々のコストが高くなってしまいますが、決算申告のみであれば比較的リーズナブルな費用で依頼できます。
会計ソフトは引き続き弥生を使っています。フリーランス時代から使い慣れていることもありますが、法人向けのプランもあり、税理士とのデータ共有もスムーズにできるのが決め手でした。
弥生
6.3. 請求書発行ソフトの選定
法人になると請求書の発行はより重要になります。フリーランス時代はシンプルな請求書でも問題ありませんでしたが、法人になるとより正式な形式の請求書が求められます。
私は弥生のmisokaというサービスを利用しています。請求書の発行、管理、入金確認などが一元管理できて便利です。インボイス制度にも対応しているので安心して使えます。
請求書管理ソフトは他にもマネーフォワードなど選択肢がありますが、会計ソフトと同じメーカーを選ぶとデータ連携がスムーズになるというメリットがあります。
misoka
7. エンジニア一人社長として気をつけるべきこと
エンジニアが一人で起業する場合、技術面はもちろん得意ですが、経営面や営業面での課題が出てきます。以下のポイントは特に意識しています。
- 時間管理:技術的な作業に没頭すると、経営や営業の時間が取れなくなります。バランスよく時間を配分することが重要です。
- 人脈構築:一人だからこそ、外部の協力者やパートナーとの関係づくりが大切です。
- スキルアップ:技術の進化は早いので、常に学び続ける姿勢が必要です。
- 健康管理:一人社長は体調を崩すと事業がストップしてしまいます。健康管理は最優先事項です。
また、エンジニアは技術に集中しがちですが、売上や利益を意識した案件選びや、将来的な事業展開についても考えるようにしています。
8. まとめ:エンジニアの一人起業は計画的に
エンジニアとして一人で起業し、法人化するまでの道のりを紹介してきました。
フリーランスから法人へのステップアップは、様々な準備と手続きが必要ですが、計画的に進めれば決して難しいものではありません。
会計面では、日々の帳簿付けを自分で行いつつ、確定申告は専門家に依頼するというバランスが、一人社長には適しているように感じます。
会計ソフトを上手に活用すれば、経理業務の負担も大幅に軽減できます。
これからエンジニアとして独立を考えている方、あるいはフリーランスから法人化を検討している方の参考になれば幸いです。
一人起業は大変なこともありますが、自分のペースで働け、成果が直接自分に返ってくる喜びもあります。充実した一人社長ライフを送れるよう、しっかり準備していきましょう。
最後に、法人設立時にやるべきことをチェックリストにまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- 会社の基本情報を決める(会社名、所在地、事業目的など)
- 法人実印を作成する
- 定款を作成し、認証を受ける
- 資本金を払い込む
- 法務局で法人登記を行う
- 税務署等に法人設立届出書を提出する
- 銀行で法人口座を開設する
- 社会保険・年金の手続きを行う
- 会社のウェブサイトを作成する
- 名刺を作成する
- 会計ソフトを契約する
- 請求書発行システムを設定する