データサイエンティストにもフリーランスという働き方が認知されてきました。フリーランスデータサイエンティストを目指す主な要因として、「自由度の高い働き方」と「高収入」があるのではないかと思います。
注)本記事では「データサイエンティスト」とひとくくりに記載していますが、「データアナリスト」「データエンジニア」「AIエンジニア」なども同様です
会社員よりもフリーランスの方がデータサイエンティストの年収は高い
「高収入」という点について、事実、フリーランスデータサイエンティストの年収は高水準で推移しており、レバテックフリーランスによれば、彼らが扱っているデータサイエンティストの平均年収は840万円と公表されています。これに対して、令和元年分の「賃金構造基本統計調査」をもとに算出した会社員のデータサイエンティストの平均年収は666.9万円なんだそうです(https://freelance.levtech.jp/guide/detail/1002/)。
そもそもデータサイエンティストの平均年収は他の職種よりも高い水準にありますが、それでもフリーランスの方が平均年収は高くなっています。
もちろん税金面や社会保障面、雇用面の差がありますので単純比較はできませんが、十分な差があることは間違いないでしょう。
フリーランスデータサイエンティストの年収が高い理由
フリーランスデータサイエンティストの年収が高い理由として、データサイエンティストへの需要が増加し続けていることが挙げられます。一時のデータサイエンスブームの山は越えたとはいえ、それでもまだまだ需要が供給に追いついていない状態です。このように企業や組織がデータサイエンティストを必要としているために、データサイエンティストの仕事は増加しています。
ですが、それなら正社員を育成すればいいのではないかと思う方もいるでしょう。たしかに最近は社内でデータサイエンティストを育成していくという動きも徐々に出てきていますが、それでも社内にデータ分析のような人材や知見が少ない場合は、育成も容易ではありません。カネも時間もかかります。そのため、即戦力として、フリーランスのデータサイエンティストが求められているわけです。
なぜデータサイエンティストが足りていない?
比較的新しい職種のため人が足りていない
データサイエンティストのような職種が一般的になってきたのは2010年代以降と、比較的新しい職種です。そのため、社会としてデータサイエンティストの育成は追いついていない状況にあります。
ある程度の勉強が必要
データサイエンティストは、統計学や機械学習、プログラミング、データの活用などの知識と技術を必要とします。統計学は古くからあまり変わらない学問ですが、実際に統計学をデータに適用したり、また機械学習やデータ分析をしたりすることには常にキャッチアップが必要なので、なかなか難しいかもしれません。
データサイエンスを学ぶ学部が少ない
データサイエンスはまだまだ新しい分野であるため、データサイエンスを学ぶことができる大学の学部や学科は少ない状態です。徐々に増えていきているとはいえ、アメリカなどと比べると圧倒的に少ないです。
年収へ影響する要因
フリーランスデータサイエンティストの年収に影響を与える要因として、以下が考えられます。
- 経験年数
- スキル
- プロジェクト規模・難易度
- 勤務地
まず、経験年数が多いほど一般に年収は高くなります。年数だけで仕事ができるかどうかはわからないだろと思う方もいるかもしれませんが、やはり年数はわかりやすい基準になります。
そして、スキルや資格も、年収に影響を与えます。高度なスキルを有していたり、データサイエンスに関する資格を取得していると、より高単価の案件を得ることができるでしょう。やはり人材としての希少性が高いほど単価は上がります。
さらに、プロジェクトの規模や難易度も、年収に影響を与えます。大規模なプロジェクトや難易度の高いプロジェクトに携わっているフリーランスデータサイエンティストは、高い年収を得ることができます。特に、PM経験やチームを率いるようなリード経験があると尚良しです。
そして、最後に少し意外かもしれませんが、勤務地も重要です。やはり東京周辺の企業案件と地方の企業案件では案件数・単価ともに大きく異なります。最近はリモート案件が多いので、もし地方に住んでいてもなんとか東京周辺の企業の案件を狙うのが良いかと思います。
年収を上げるために
では実際に年収を上げていくためには、上記の「年収へ影響する要因」で解説したことを踏まえて、以下のような手法が望ましいと考えられます。
1. 経験とスキルを積む
フリーランスデータサイエンティストとして年収を上げていくためには、まずはデータサイエンスのスキルを身につける必要があります。データ分析、統計解析、機械学習などのスキルを習得しましょう。
また、できればプロジェクトマネジメント系のスキルも重要です。フリーランスデータサイエンティストは基本的に自分のペースで仕事をしますが、プロジェクトベースの案件を率いるプロジェクトマネジメントやコミュニケーションスキルが不可欠です。そして、そのような案件はより高単価になる傾向があるので、狙い目です。
経験年数自体はすぐにどうしようもないところですが、自分自身でできるスキルアップについては、今後自分がどのような仕事をしていきたいかを考えた上で、進めていきたいですね。
2. エージェントに登録して高単価案件を紹介してもらう
次に、高単価案件を受注するために、フリーランス向けのエージェントに登録することもとても有効です。
結局どれだけのスキルや経験があっても、高単価案件を受注できなければ始まりませんので、フリーランス向けのエージェントに登録して、そのような案件を探してもらいましょう。スキルがある人でしたら、難易度が高い案件を探してもらえば、さらに年収を上げていくことができます。
僕個人としてはフリーランスのデータサイエンティストには以下のエージェントをオススメしています。
- レバテックフリーランス
- ギークスジョブス
- ITプロパートナーズ
- Midworks
また、エージェントは報酬交渉などのサポートもしてくれるので、フリーランスデータサイエンティストにとって大きな助けになりますよ。
こちらの記事でエージェント登録についての記事を書いていますので、よろしければご覧ください。 僕は企業でデータサイエンティストをしていた時からフリーランスに転身する際に、10社ほどのエージェント・サービスに登録したのですが、その中で人にオススメしたいのは以下の3社くらいでしたので、今回はこれら ...
【体験談】データサイエンティストにおすすめのフリーランスエージェント3選
3. エージェントを通さずに直接企業案件を取得する
エージェントを通して高単価案件を紹介してもらう方法の他に、自分自身で直接企業案件を受注する方法もあります。エージェント経由よりも中間マージンが少ないので、もらえる額は多くなると思いますが、自分んで営業して案件を獲得する必要があるので少し難しいのが実際です。
ただ、こちらの手法ももちろん高単価を狙えるので、以下のようなことが苦ではない人はぜひチャレンジしてみてはどうかと思います。
- 自分の強みをアピールできるポートフォリオを作成している
- 積極的に営業活動をする
- コミュニティに参加していて業界の知り合いが多い
まとめ
フリーランスのデータサイエンティストは、高収入が期待できる職業です。しかし、成功するためにはデータサイエンスのスキルやプロジェクトマネジメント、コミュニケーションスキルなどを身につけた上で、さらに高単価案件を受注する必要があります。
自分でがんばるところ(スキルアップ)、人にがんばってもらうところ(エージェントに案件を探してもらう)を並行して、高年収を狙っていきましょう!