博士学生の大きな問題はお金ですよね。
そこで多くの人が応募するのが学振DCです。
学振DCに採用されると月20万の研究奨励費(給与)を与えられます。
ただ、社会保険など除くと手取りは16万くらいになります。
もらえるのはうれしいけど、冷静に考えれば少なすぎます。
同じような歳で働いてる人はずっと稼いでいますから。
あいつらよりずっと長時間働いてる(研究している)のに、これだけしかもらえない、というのは大きな問題だと思います。
よく、学振は生活保護と変わらないとかいう意見もありますが、それはちょっと置いておいて、別の選択肢、第1種奨学金の返済免除とどちらがいいかというのを考えてみます。
学振と第一種奨学金の全額返済免除はどちらがいいか
学振DCのメリット
学振に採用されて奨励費20万をもらうと、親の扶養を外れないといけなくなります。
社会保険料とかを引くと、手取りが16万くらいです。
他の良い点は、研究費がもらえること(年間80万前後?)と箔がつくことでしょうか。
やはり、学振に採用されていたというと、他の人からの見方が変わるようです。
今後研究者として生きていくなら、ぜひ取っておきたいところではあります。
学振DCのデメリット
デメリットは、採用率が20%くらいと低い(?)こと、他に働くことができない(平成31年からは緩和)ことでしょうか。
※ 申請書を作るのが大変というのはありますが、学振の申請書作成を通して学ぶことも多いので、研究者として生きていくことを望むならできないと困ると思います。
第一種奨学金返済免除のメリット
博士課程3年間を満額月12万ほどもらい続けることができるとともに、自由にアルバイトなどができる。
全額返済免除になるとして、アルバイトをしていれば親の扶養に入りながら、学振と同じくらいの手取りにはなるでしょう。
また、学振よりも免除可能性が高い(と思われる)。
第一種奨学金返済免除のデメリット
研究費がつかないこと。箔がつかないこと。
結局?
奨学金+バイトでも学振くらいの収入はもらえますが、博士で研究するのだったら、大変でも学振は出しておくべきだとは思います。
何より勉強になりますし、研究者になるのだったら、もっと長い申請書を書き続けなくてはいけませんから。
さらに履歴書に書けるのは大きかと思います。
ただ、学振に通るかはわからないので、学振には応募するが、採用されるまでは第一種奨学金をもらい続け、もらった分だけ返済免除を狙うというのが良いのではないでしょうか。
ちょっと話は逸れますが、一つ私が危惧しているのは、学振に採用されたら奨学金返済免除になりにくくなる、というようなことがないように、ということです。
優秀な人は両方ゲットできてしかるべきなので、もし学振の採用が奨学金返済免除を抑制するというようなことはあってはいけないと思います(ただの心配です)。
もしそういうことをされたら本当にやる気をなくします。日本の研究力にも影響してくることと思います。
こういうことは表には出ないことではありますが、心配しています。
日本ならありそうですから。
<追記>
私はありがたいことに、D3から学振DCに採用されましたが、D1,2分の奨学金は全額返済免除になりました。
大変ホッとしました。
しかし、噂ですが僕の大学の研究科では、基本的に学振をとった人は免除になりにくいという話を聞きました。
私はよかったですが他の人がどうだったのか気になるところです。
みんな免除されてたらいいなぁ。
金銭面はもちろんですが、博士課程で研究をしていると辛いことたくさんあると思います。
少しでも、大変さを共有できたら楽になるかなと思います。
学振と奨学金の重複受給が可能になった?(2020年4月追記)
令和2年度の手引きや様式集を見ていると、かなり大きく変更がありました。
奨学金の重複受給が可能になったようです。
ただし、日本学生支援機構の貸与型はまだ重複受給禁止ですが、民間企業や財団、受入機関の寄付金などはもらうことができるそうです。
詳しくは、こちらのページでご確認ください。
https://www.jsps.go.jp/j-pd/data/tebiki/r2/r2_shousai.pdf
https://www.jsps.go.jp/j-pd/data/tebiki/r2/r2_henko.pdf
https://www.jsps.go.jp/j-pd/data/tebiki/r2/r2_tebiki.pdf