僕は博士課程の間にほぼゼロから2年間で高校数学の教員免許を取得しました。
博士課程に進学することにしたはいいけど、将来どうするか悩んでる人も多いですよね。
研究者でやっていける気もしないしなぁとか、今さら企業で働いても今まで学んだことが活かせないなとか思うでしょう。
実は博士卒で一定数あるキャリアパスが「高校教員」です。
博士課程まで研究活動をしてきた博士なら学んできたことを高校生に教えたい!という思いもあるでしょう。
「でも、今まで教員免許なんて取らなかったし無理だなぁ」なんて思わないでください!
博士課程でも教員免許を取ることは可能ですよ!
今回は、僕が博士課程で数学の教員免許を取ったときのことを紹介します。
博士課程でも教員免許を取ることはできる
まず僕の前提条件についてです。
僕はプロフィールでも書いていますが、理学研究科の修士を出たあとに一回就職して、その後に同じ研究室の博士課程に戻りました。
僕は数学科ではありませんが、理学研究科なので数学の教員免許を取ることが可能でした。
もともと学部1回生の時は教員免許を取ろうと思っていたのですが、面倒くさくなってやめてしまいました。
なので今回は2度目の大学のつもりだったので、1度あきらめた教員免許もちゃんと取ろうと思ったのです。
しかし、数学の基本的な単位や一般教養は単位を取っていましたが、教育学部科目は一切取っていませんでした。
教員免許を取るために必要だったこと
まず数学の教員免許を取るには、教育学部の単位が20コマちょっとくらいと教育実習が必要でした。
僕もD3はちゃんと博士論文に集中したかったので、D1, D2の2年間で単位をとりきり、教育実習にも行って教員免許を取ろうと思いました。
単純計算すると半期で5コマちょっとですが、D1でできるだけ単位を取ろうと思ったのでD1は週7コマくらい教育学部の授業をとっていました。
また、D2の前期に教育実習に参加してきました。
博士で教員免許を取る上で大変なこと
博士課程で教員免許を取るのはやはりけっこう大変です。
僕が感じた大変なことは以下の3つです。
・研究と両立させないといけない
・授業や実習に参加するのはみんな学部生(いても修士)なので、ちょっと浮く
・周りに教員免許を取る人がいないので情報が少ない
シンプルに時間が足りない
普通の学部生は4年で教員免許を取ります。
僕の場合、2回生から教育学部科目を履修できたので、実質3年間猶予があります。
ですが、僕は2年間で取ろうと思ったので、シンプルに時間がありませんでした。
それに僕は博士課程ですから、ちゃんと研究をしなければいけません。
研究と両立させないといけない
研究は必ずやらないとそもそも卒業できないですから、ちゃんと両立させないといけません。
僕は幸いにも実験系ではなく、観測データを解析するだけでしたので、まだ融通がききました。
もし実験系の人は実験にべったりしないといけないと思うので、そういう人は非常に大変だと思います。
まぁ、そうではないにしてもかなり大変でした。
最小限の労力で教育学部系の単位はとり、研究に時間を取れるようにしました。
ただこう言うと手を抜いていたように取れるかもしれませんが、もちろん宿題とかやるべきことはちゃんとやっています。
講義もちゃんと出ました。テスト勉強もレポートも書きました。
学会とか研究会がある時はさすがに出られないので、そういう時は授業の先生にその旨を伝えると、快諾してくれていたので、その点はありがたかったです。
授業や実習に参加するのはみんな学部生(いても修士)なので、ちょっと浮く
講義にいるのは基本的に学部2回生から4回生でした。
教員用の授業はけっこうグループワークなどが多いので、ちゃんと彼らとコミュニケーションを取らないといけません。
僕は27, 8でしたが、彼らは20歳くらいなので、けっこうギャップがあり、最初はちょっとしんどいところもありました。
でもそれは最初だけで、だんだん慣れてくると何も感じなくなりました。
むしろ全体の人数も多くないので、人がわかるようになるとグループワークもラクになってきます。
そして他愛もない話とかができるようになると、逆に楽しくなってきます(笑)。
普段研究室にこもっているとあまり会話もしなくなるので、教育学部授業がちょっとした刺激になるので、案外よかったです。
授業や実習に参加するのはみんな学部生(いても修士)なので、ちょっと浮く
教職課程では、書類を事務に提出したり、自分が授業に出られないような機会が何度もあります。
学部生とかだと友達が教職課程を取っていて情報を得られるのですが、博士だと誰もいないので、提出物などの情報を得られないことがあります。
僕はなんとか学部生の知り合いを作って(ちょっと仲良くしてくれた人がいた)ので、すごく助かりました。
同じ授業に出てる人とはできるだけ仲良くしておくと良いです!
博士卒で教員になるには教員免許がなくても方法はある
僕は博士課程で教員免許を取りましたが、実際、免許を取らなくても教員になる方法はあります。
県によっては博士卒の人は、免許がなくても教員採用試験を受けることができ、通ってから取得すれば良いという制度を持つ県もいくつかあります。
ただし、全ての県ではなく一部の都道府県なので、調べてみてくださいね。
さいごに
こうして大変なこともたくさんありましたが、なんとか2年間で高校数学の教員免許を取ることができました。
介護実習にも行けば中学の免許も取れたのですが、そこまでは手が回らなかった(あまり中学は取ろうと思わなかった)ので、断念しました。
博士課程だと基本的に研究しかやることがない(やらないといけない)ですが、やろうと思えば教員免許を取ることも可能です。
博士課程のあとの進路を考えたときに、教員もアリだなと思う方はぜひチャレンジしてみてはどうかと思います。
ただし、最近になって教員免許の制度が若干変わったので、そこはちゃんと調べてくださいね(僕は制度が変わる直前でした)。
もし誰かの参考になればうれしいです。