こんにちわ、サトシです。33歳です。
今回は、データサイエンティストの3年間に3社で働いた僕が、データサイエンティストとしての転職活動についてまとめて書きたいと思います。
これまでSE→博士研究員→ポスドクときて、3年前にデータサイエンティストとして企業に就職したのですが、さらに2回の転職を経て、つい最近フリーランスとして独立することにしました。
短い間で3社で働き、結局フリーランスになるということで、企業でのデータサイエンティストという仕事にいろいろと思うことがあったわけです。とりあえず今はちょうどいいタイミングなので、企業におけるデータサイエンティストの事情、データサイエンティストの転職事情について、自分自身で振り返り、少しでも誰かの役に立てばと思います。
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データサイエンティスト経験3年の僕がフリーランスとして独立するまでの体験談
こんにちわ、サトシです。 今回は、企業でデータサイエンティストとして働いていた僕が、フリーランスとしてどのような手順で独立していったかについて書いていきたいと思います。 僕はSIer SE→博士過程→ ...
1社目:ポスドクから未経験からのデータサイエンティスト転職
未経験からの転職活動
最初にデータサイエンティストになったのは、29歳ポスドクのときでした。コロナが始まったときということもあり、もう一度企業で働くことに決め、業種はデータサイエンティストに決めました。研究でもずっとデータ分析をしていたので、一番流れとしては自然かという理由でした。
ただし、機械学習やディープラーニングなどは全然経験がなく、さらにPythonも未経験、SQLも簡単なSELECT文しか書けないというよわよわ野郎でしたが、20社くらい受けたところ殊勝なAIコンサルティング(受託分析)会社が雇ってくれ、なんとか食いっぱぐれずにすみました。
このときは初めての転職活動ということで、転職のなんたるかを全然わからず、とりあえずどこぞの転職エージェントに登録して、余計に苦労した記憶があります。きっと弱小エージェントで手っ取り早く転職を成功させたかったのでしょう、なんでもかんでも受けさせられ、よくわからない自己分析をさせられ苦労しました。
結局このエージェントとは縁を切り、別のエージェントに依頼したのでした。するとささっと内定をもらうことができました。このときの未経験からの転職で思ったことは、とりあえずエージェントは比較的大手に登録しておくのがベターだということでした(リクルートエージェント・DODAエージェントなど)。未経験だったら求人数が多く、いろいろな人を相手にしてきたエージェントがいいだろうと今では思います。
転職活動自体での職務経歴書や面接ではあまり困った記憶はありませんでした。経歴書はそこらじゅうに落ちていますのでwordで作成しました。
経歴書はwordで作るのが良いと思います。3回転職活動をし、今はフリーランスをしていますが、エージェントによっては経歴書をwordでくださいというところもけっこう多かったりします。なので、wordが入っているPCをお持ちでしたらword形式の経歴書をダウンロードしてそれを使うのがよさそうです。
未経験からの面接では、とりあえず以下をはっきり答えられれば問題なさそうに思います。
- どうしてデータサイエンティストにしたのか
- 今までにデータを扱った経験について
初めての転職についてはこちらの記事にも詳しく書いているので、よければご覧ください。 お疲れさまです! 久しぶりの更新になってしまいましたが、僕が未経験からデータサイエンティストになるまでの転職活動の全記録を書き残しておきたいと思います。 僕は博士号を取得後に研究員として仕事をしていま ...
【実体験】20代で未経験からデータサイエンティストに転職するまでの全記録
データ分析専業の会社のメリット・デメリット
この会社はデータ分析専業の会社だったので、入社してから研修を経て、すぐに分析案件に入れてもらいました。
基本的にクライアントワークで上司と一緒に案件をこなしていくという感じです。短期間でいろいろな案件を経験していくというスタンスだったので、研修案件に始まり、製造業や大学、金融機関など幅広い会社との仕事・分析をすることができたのは最初のキャリアとしてとてもよかったのではないかと思っています。
事業会社とかに行ってろくな分析もしないようでは先が思いやられますが、データサイエンティストがたくさんいる会社だったですし、比較的広く分析案件を経験できたのはプラスでした。
まぁ欲を言えば、あまりモデリング的な仕事はしなかったので、もう少しそういう仕事もしたかったなというのはあります。ただ、そこまでは求めませんしデータ分析者としての基礎は在籍した1年半で学べたと思うので個人的には満足しています。
転職することにした理由
ただ、なんせ給料が少なかったので、転職することにしました。先輩を見ていても給料がなかなか上がらないことは目に見えていましたので。せっかく転職するならばということで、給料とともに事業会社でやってみたいと思い、事業会社でやることにしたのでした。
2社目:事業会社のデータサイエンティスト
事業会社への転職活動
2社目としては事業会社を選びました。このときは基本的にビズリーチで転職活動をしました。ビズリーチに登録しておけば企業やエージェントから声をかけてもらえますので、比較的楽だった記憶があります。声をかけてくれた企業とはなるべく多くカジュアル面談することにし、20社くらいは面談をしました。
そのうち3社から内定をもらって、その中から時系列予測のR&D的なことをやってほしいと言ってくれた会社に入りました。
このときは正直、ほかの2社とかなり迷いました。別の1社は人がとてもよく、面接は合計4回と多かったですが、いろいろな人の人間性を知れて好感がもてました。
ただし、仕事内容と給与は少し他より劣るというところです。別のもう1社は仕事内容としても自社プロダクトを持っていてレコメンドシステムに関する仕事ということでとても興味がありました。かなり評価もしてもらえてましたし、給与も最終的に入社した会社と同程度、むしろ多いところでした。
2回目の転職についてはこちらの記事もどうぞ。 久しぶりの投稿になりますサトシです。 今回はデータサイエンティストの転職活動について書きたいと思います。 僕自身、昨年末から転職活動をして、ついこの間内定をもらい、これから新しい会社に移るところです。 ...
【体験談】僕のデータサイエンティスト転職活動(2022年)
聞いてたんと違う
正直この2社目の転職については転職時も、今になってもミスだったと思わざるをえません。
入社時には社内のデータ分析チームがあり、そこへの配属だと聞いていたにも関わらず、入るとそのようなチームはなく、最初からグループのベンチャー企業に飛ばされ、たった一人のデータサイエンティストとしてやることになったのです。
それだけでなく、仕事としても最初のほうはアプリ開発の手伝いのようなことから、アプリの総合テスト用のデータ作成やテスト実施などと、データサイエンティストとは程遠い仕事をやらなくてはいけませんでした。面接時に聞いていた時系列予測モデルなんてほぼなかったようなものです。
結局、入社後1ヶ月で辞めると言ったのですが、なんか上司の口車で結局1年間勤めることになりました。後半くらいからはBIツールでダッシュボードを作ってほしいということでひたすらSQLを書いてダッシュボードを作ったり、マーケティングや企画部門の人からこんなデータを作ってほしいと依頼されてひたすらそれを作成するみたいなことをしていました。
まぁ、一緒に企画やマーケティングっぽいことを考える機会もあったのは面白かったですが、それでも仕事内容的になんだかなぁという思いは抜けませんでしたので、秋くらいからまた転職活動を再会します。今度こそはミスれないという気持ちで慎重にゆっくりと時間をかけて転職活動をしました。
今回の転職で学んだ教訓
さて、2社目に転職するときには給与と仕事内容で選びました。面接は1回だったので、あまり多くのことを聞けなかったり、聞いていたチームがなかったりと、面接時点ではどうしようもないこともありますが、いくつか教訓があります。
以下のことについては最低限会話をし、具体的なことを聞いておきましょう。あやふやだったら危ないですよ。。
- 面接は複数回で複数人と会話をし、具体的な仕事を聞いておく方がよい
- 現役のデータサイエンティストと会話すべし
- スキルセットを聞くべし(言語、環境、モデリング、ライブラリ、クラウド、など)
- 誰と仕事をする事が多いか
- チームのデータサイエンティストとだけか
- クライアントと直接対応するか
- 他部署と密接に関わるか
- 意思決定者までの構成
マイクロマネジメント
もうひとつ嫌だったところはマイクロマネジメントだったところです。プロジェクトとして、ざっくりと任されるのではなく、上司からコレコレをこうしてみたいにタスクベースで切られるのが非常に嫌でした。ただその理由もわかっていて、他の人たちにはそうでもしないと動いてもらえないので、マイクロマネジメントをするのが当たり前になっているのだと思います。
上司がデータ活用についての知見がないと組織はデータ活用なんてできない
時系列予測ができないまでも、どの程度データサイエンティストらしい仕事ができるかどうかはその組織の上司にかかっています。直属の上司がデータに詳しくても、その上のマネジメント層(部長層?や経営層)の理解がないと絶対にうまくいきません。
結局意思決定者の想像が及ぶ以内のことしか行うことができないので、事業会社でデータサイエンティストをやりたい人は特に注意が必要です。
データ分析やAI専業の企業でしたらそんな心配は不要なのですが、AIなどに関係ない特にドメスティックな会社の場合は、確実に注意するようにしてください。求人票ではいいように書かれているが、実際に記載されているような事ができないということはよくあります。せめて求人票段階では、どの程度具体的に書かれているか確認しましょう。
面接では複数の人と話、具体的な仕事内容を聞いてみてください。あやふやだったり、これからやる予定であるというような回答をするところはできないと思った方が良いと思います。
さらに、あなたが一人目のデータサイエンティストとして、辣腕を奮って欲しいみたいなところも絶対に怪しいです。要注意事項がたくさんありますが、やはり要注意です。
2社目の事業会社のよかったところ
さて、一応2社目の会社で唯一良かったところとしては、同僚にいろいろな人がいて面白かった、というところでしょうか。データサイエンティストでありがちなのが大学院卒理系の巣窟であることですが、このときは良くも悪くもデータ分析チームがなかったので、元バンドマンをはじめとして色々な人がいました。
理系大学院にはいないような明るい人、変な人もいてそこは非常に楽しかったです。
そんなこんなで1年間勤めた後、3社目の会社に転職します。
3社目:事業会社・コンサル会社の間らへんのデータサイエンティスト
3社目への転職活動
3社目は必ずデータ分析部門がある会社を選びました。もうデータを扱えるのが1人だけというのはゴメンだったからです。また、事業会社ということで自社でデータを持ちながらも、それを活用して他者向けの仕事もするというような事業会社とコンサルの間らへんの会社を選びました。
転職活動としては、9月くらいから初めて12月に内定をもらい4月から3社目に転職しました。このときは、またビズリーチでやればいいかと思っていたのですが、前回の転職から期間が短いからなのかわかりませんがビズリーチではあまりスカウトが来ませんでしたので、リクルートダイレクトスカウトを使いました。
そうするとビズリーチ同様にたくさんの企業やエージェントから連絡が来るので、その中で4社ほどのエージェントと面談を行い、求人を紹介してもらいました。そして、このときの転職活動においても結局3社から内定をもらうことができました。
結局、給料・仕事内容ともに良さそうだった会社に入ったのですが、この会社は4ヶ月で退職することになりました。
謎の閉塞感
仕事内容としてはちゃんと分析はできていましたし、チームの人も優秀な人たちばかりで申し分ありませんでした。ただ、なぜでしょうか、無性に閉塞感を感じました。
会社も上り調子だったのにです。2社目はデータ分析者が自分だけで多様な人と一緒に仕事をしていたのですが、この会社では一緒に働くのが皆同じチームのデータサイエンティストばかりでしたし、クライアントや他部門の人と話す機会も少なかったように思います。
また、プロジェクトの最終意思決定者までPM、部門マネージャー、取締役と多くの段階を経る必要があったところも閉塞感を感じる部分だったかと思います。自分で何かを決定することができないのがもどかしかったです。
さらに、PMを説得し、マネージャーをクリアし、取締役を経て初めに戻るというスゴロクがたくさんあるのもなぁという感じです。まぁ、同じ時期に家族の中で問題がいろいろとあったので、それの影響が大きかったのかもしれませんが。
そんなこんなで4ヶ月で退職し、フリーランスになることにしたということになります。
3社経験して思ったこと
ここまでのデータサイエンティストとしての3社の経験を経て、思ったことを書いていきたいと思います。
業務でスキル面の強みを作れたらよい
やはりデータサイエンティストとしてやっていく以上、なにかスキル面での強みがあると良いと思いました。
僕は1社目のデータ分析専業の会社でいろいろな案件に入っていたので、スキルセットとしては比較的広く浅くといった感じだったのですが、転職市場という観点で考えると「自分はこれができます」という強みがあると強いです。
若いうちは浅く広くでもよいかもしれませんが、年数を重ねていくと自分の専門分野と言えるような分野を作っていくと、転職を考えても選択肢は多いでしょう。画像認識ができます!とかマーケティングとデータ分析の掛け合わせが得意です!みたいな。
ただ、スキルはかなり自分が担当する業務に依存するので、その会社、その案件でどのくらいスキルを磨けるかはその組織次第ですので、できる限り見極めたいところです。
1社だけで働いていると使うスキルも限られる
このようなスキル面ですが、1社だけでずっと働いているところころといろいろなスキルに触れることはあまり多くないので、かなり限られてくるかと思います。
その会社がかなり技術的に深いことをしているならいいですが、そうではない会社の方がずっと多いと思いますので、そのような会社で勤めている場合は、何回か転職をした方がスキルを広げることができるでしょう。ひと昔前のように石の上に3年いたら、周りのスキルセットも変わってしまいうるので注意したいですね。
ドメイン知識は強い
データサイエンティストとしてスキルは非常に重要なのは明らかですが、それと同じくらいドメイン知識が意外とものを言います。実際、それほどデータサイエンティストとしてのスキルレベルは高くなくても、その業界の知識が深ければ、とても重宝されるデータサイエンティストになれると思います。結局データサイエンティストは、データを活用してビジネスを加速させていかなければいけないので、業務上の課題や業界構造、業界におけるマネタイズの感覚、などなど知っているとデータ活用にも活きてきます。
現にそういうスキルレベルはそこまでではなくても、ドメイン知識の豊富さゆえ活躍されている人はいました。その点では、転職をしたとしても業界をそこまで変えずに、ドメイン知識を引き継げるとようなのがよりよく転職ができて理想かなと思います。
給料を上げたいなら転職する
会社で働いている以上、給与は気になると思いますが、会社で働いても数年で給与が爆上がりするようなことなんてないですよね。あっても会社の業績がよく数十万くらい臨時ボーナスが出たりというくらいではないでしょうか。
しかし、転職すればある程度のところまでは一気に給料を上げる事ができます。データサイエンティストとして駆け出しだと、500万とかありうると思いますが、一般的なスキルをもっていて数回転職すればまぁ7~800万くらいまではいけるのではないかと思います。
このレベルの給料アップは新卒で高給の会社に入って年次が上がるのを待つ、もしくは課長クラスにまで昇給するくらいでないと達成できないかと思います。なので、早めに給料を上げたくて、今の会社の執着がなく、そこそこのスキルがあるのであれば転職することをオススメします。
転職エージェントはどこがよかったか
僕も3回転職活動をしましたが、エージェントはどこがよかったか振り返りましょう。これは未経験とそれ以降に分かれると思うのですが、未経験の場合はなるべく一般的で案件数も多い
リクルートエージェントやDODAエージェント)のような大手がいいと思います。僕の場合はなぜか誰も知らないようなエージェントにお願いしたのですが、いいことはほとんてありませんでした。とりあえず大人しく大手にお願いしましょう。
そして、未経験からデータサイエンティストになり、いくらか経験を積んだあとの転職では、まずはビズリーチやリクルートハイクラススカウトあたりに登録しておくのがよいかと思います。
特にリクルートハイクラススカウトに登録しておけば、相応のレベルのエージェントから連絡がきますので、それ経由でどこかのエージェントに登録するのがよいかと思います。
僕の場合はJACリクルートメント他3社に登録し、JACリクルートメント経由で内定をもらいました。もちろんよくわからないエージェントからも連絡は来たりしますので、適宜取捨選択しながら返信していくという感じでしょうか。
ただ、僕の場合は日経企業の話ですので、もし外資系に興味があるという方はまた別のエージェントを使う必要があるかと思います。コンサルとかでしたらアクシスコンサルティングとかがいいとかも聞きますね。
おわりに
3年間データサイエンティストとして一応やってきまして、なんだかんだ浅く広く案件に携わってきたなと思います。これからはなんとかフリーで生きていこうと思っていますが、これまでの転職経験が誰かの役にたてばうれしいです。
フリーランス転身
データサイエンティストとしてフリーランスに転身するのも大いにアリだと思います!
もしフリーランスに興味があればこれらの記事もご覧ください!
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