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博士

仕事を退職して大学院博士課程に進学したことのメリットとデメリット

無事3月で博士課程を卒業できました。

僕は3年前に、修士卒業後に2年弱勤めた会社を辞めて、博士課程に進学しました。

転職ではなく、安定した正社員の職を辞めて大学に戻ると言った時は、いろいろな人に心配されました。

でもなぜかそんなに反対する人はいなかったのですが。。。

当時、なぜ僕はそんなことしたのか、再び大学生になってどうだったのか、今振り返ってみたいと思います。

当時の僕と同じように、会社で働き始めたけど、大学院戻ろうかな、進学しようかなと悩んでいる人の参考に少しでもなればうれしいです。

 

なぜ大学院に戻ったのか

修士を卒業する時は、戻る気はなかった

修士を卒業する時は、仕事を辞めて博士課程に戻るなんて選択肢はありませんでした。

でも、修士の研究が中途半端だったり、やることをやりきれなかった思いはあって、心のどこかに引っかかっていました。

会社から内定はもらっていたので、とりあえず働かないとと思って就職しました。

 

新卒の就職活動について

就職活動をした時はM1の12月に説明会が開始され、M2の4月から面接解禁でした。

M1から新しいテーマで研究していたので、M1の12月では全然結果が出ていませんでした。

そのため、これは就職かなと思い就職活動を始め、M2の4月で内定をもらいました。

今思うと、修士は研究する時間が全然なかったなと感じます。

とりあえず内定はもらったので、博士には行かず働こうと思いました。

 

いくつか後悔があった

入社したわけですが、大学生活を振り返ると後悔もありました。

研究が中途半端だったこと。教員免許を取らなかったこと。海外留学しなかったこと。

の3つがあります。

 

仕事がつまらなかった/こんな将来はイヤだった

入社して2年目になると本格的にプロジェクトに配属されて、プロジェクトのサブリーダーとかをやりました。

でも、やっているうちに「あぁこんな感じか」と思ってしまいました。

保険会社のシステム構築をしており、やることは進捗管理や、下請けの人たちへのお願い、レビューなどであまり面白いとは言えませんでした。

給料は良かったんですけどね。

仕事が終わるのは平均すると21時とかでしたが、システムトラブルがあると家に帰っていても深夜に会社に行ったり、寝ていても電話で起こされたりしていました。

もしこれから結婚して子どももいたら、こんな生活イヤだなと思いました。

 

やりたいことやろう

何も考えず会社員として働いてはいたのですが、祖母が亡くなったのと、自分に小さな病気が見つかったことで、自分はいつ死ぬかわからんなと思うようになりました。

また同時期に外部の派遣の人と仕事をしていて、その人は40歳くらいだったのですが、東大の大学院に通いながら派遣でエンジニアをしているという人でした。

一緒によくサーバ室で作業をしていたので、話す機会も多く、そういう生き方もあるんだなぁと感じました。

そんなこんなで、気がつけば博士課程に戻ろうと思いました。

 

博士に進学して必ずやろうと思ったこと

自分は結婚もしていたので、戻るからには次のことは必ずやろうと思いました。

  • 3年で博士号を取る
  • 論文を3本書く
  • 海外に研究留学する
  • 教員免許を取る

 
結果、これらのことは全て達成できました。

 

  • 3年で博士号取れました。
  • 筆頭論文は4本書けました。
  • 海外への短期研究留学に3回(計4ヶ月)行けました。→アメリカ×2、台湾
  • 数学の高校免許取れました。→教育学部の授業も受けて、教育実習も参加しました。

 
加えて、子育てにもそこそこ参加できました!(まぁほとんど妻ががんばってくれましたが...)

 

仕事を辞めて博士に進学したメリット・デメリット

 

メリット

  • 好きなこと(研究など)ができる
  • 時間に融通が利くので、子育てにも参加できる
  • 仕事で得たタイムマネジメントのような仕事術が研究にもかなり適用できる

時間に融通がきく、ということが何よりだと思います。やりたいことがある人にとって、これほど良い環境はないです。

また、研究を進めるという点でも、仕事で得たタイムマネジメントや、PC・対人経験、そして決して100%でなくても成果物にまとめられるみたいな能力は、博士での研究に非常に役に立ったと思います。

 

デメリット

  • お金がなくなる → 入学前の貯蓄は全てなくなりました。学振や奨学金返済免除のおかげで、なんとか助かったという感じです。お金に関しては、博士進学前に300万貯めましたし、入念にシミュレーションしました。これだけは考えておくべきです。
  • 立場がなくなる(?) → 自分の認識次第ですが、そう思う人もいると思います。年齢が年齢ですし、結婚しているとなおさらです。僕は鈍感だったのか、それほど窮屈には感じませんでした。
  • 就職先がない(?)→ 今就活中なので、わかりません!また別記事で紹介します。無事決まりました。下の記事をどうぞ!
【体験談】ポスドク研究員の民間就職活動記〜全記録

僕は理学の博士号を取得後に、学振PDというポスドク研究員として研究をしていました。 そんな僕が2020年4月から民間企業のデータサイエンティストへの就職を目指し、就職活動を行い、無事内定をもらうことが ...

 

仕事を退職して博士進学するならやっといた方がいいと思ったこと

1. 英語の練習

やっておいた方がよかったと思うことは、もうこれに限ります!

博士進学をする以上、英語からは逃れられません。

まず、国際学会で発表する機会もあるでしょうし、普通に海外に研究留学することもあると思います。

実際に、僕も博士の3年間で国際学会で6回発表することがありましたし、短期留学でアメリカや台湾に行くことがありましたが、英語力は全然まだまだで悔しい思いもしたので、もっとやっておけばと思いました。

 
英会話

僕も一応、博士に進学する前からオンライン英会話を少しずつやって話す練習と聞く練習をしていたんですが、実際に英語でコミュニケーションをするのは非常に難しかったです。

もっと本腰を入れてやっておけばよかったと思いました。。。

オンラインに英会話は安くて手軽にできるので、仕事をしていても細々と継続してやっておくといいです。

DMM英会話

また、英会話意外にも書く練習をすることも大切でした。

 
 

英文を書く

博士では英語で投稿論文や博士論文を書かないといけませんよね。

僕も最初の投稿論文を書くのに相当苦労しました。

指導教員に原稿を真っ赤に添削してもらって、他の共著の人にも真っ赤になるまで見てもらいました。

今思えば、僕のあんな下手な英文をしっかり見てもらって、ありがたい限りでした。。。

なので、やはり可能であれば書く練習もしておくにこしたことはありません。

簡単なところで言うと、日々の日記を英語で書くのもいいです。

ある程度強制されないと難しい場合は、英会話も英作文もまとめてみてもらえるHinativeのようなサービスに登録してもいいでしょう。

HiNative Trek

ちょっと値段も高めですが、社会人でお金を持っていれば可能だと思います。

英語力は博士だけでなくその後の人生で必ず役に立ちますから、できるならやっておくといいですね!

 

2. 資金繰りを考えておく

これは生活面ですが、やはり退職して博士進学すると、収入が圧倒的に落ちます。

むしろほぼゼロになりますね。

辞めた翌年の住民税はエグかったですよ。。。

なので、資金繰りはしっかり計画的にやっておきましょう。

博士に給料が出るようなコースのところに進学するだったり、学振出したり、奨学金出したりなど考えておきましょうね。

 

3. クレジットカードを作っておく

これは盲点なのですが、学生に戻るとクレジットカードを作れないことはないのですが、上限額が非常に低くなってしまいます。

なので、持ってる方はいいですが、カードを持っていない方は今のうちに作っておきましょう。

また、持っていてもカードの使用期限を確認しておきましょうね。

博士に進学すると海外に行く機会も多くなるので、JALとかANA系のクレジットカードを持っていると、マイルもお得に溜まっていいと思います。

 

大学は職業訓練校なのか

日本において大学は職業訓練校になり下がっているようにしか思えません。

本来、大学は学問をするところです。なので、一度企業で働いたりしても、学問がしたくなったり、仕事を通じて知識が欲しくなったら、大学に戻って勉強・研究をするということは不思議ではないと思います。

海外留学したときも、働いてから博士に戻るという人も一定数いました。

日本がいなさすぎな気がします。

日本だと修士までの学生を欲しい企業が多いです。博士は専門的すぎて扱いづらいということであまり求められていません。

しかし、海外においてグローバルに働くなら博士号は必須とされています。

そう考えると、日本は非常に低学歴社会です。

学術界と産業界の垣根が低くなって、多様な人間が出てきたら面白いと思っています。

 

さいごに

いろいろ書きましたが、僕は仕事を辞めて博士課程に戻ってよかったと思っています。

後悔は全くしていません。

修士からまっすぐ博士に進学するのとは違って、一度会社員をやっておくことで見える世界もあったと思います。

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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